さすがPGAツアーの醍醐味。

 朝夕の冷え込みが厳しく秋の深まりを感じる気候になってきました。何十年ぶりかで電車通勤した電車内でもマスクをつけた人が目立ってます。例年より早くインフルエンザの流行が早いといわれてます。早めにインフルエンザの予防注射を打つようにしてください。

 プロゴルフトーナメントも佳境に入ってきました。日本で初めて開催されたアメリカPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」のタイガー・ウッズと松山英樹の白熱した優勝争いは見応えがありましたね。久々に男子プロトーナメントの醍醐味、面白さを満喫させてくれました。

 優勝争いは2日目の豪雨による中止で最終日の一部が月曜日にずれ込んだものの、テレビも朝のワイドショーの枠を使って生中継を敢行し、平日の朝にも関わらず9・0%の視聴率を記録したそうです。テレビ業界もこれを機会に男子ツアーのアグレッシブなプレーをしっかり中継・放映してくれれば男子トーナメントも盛り上がって行くと思いますがね。

マナーにはその人の人格が表れる。

 「打ち方にはその人の体力が表れる。ルール上のジャッジメントにはその人の知力が表れる。そしてマナーにはその人の人格が表れる。」これはゴルフマナー評論家・鈴木康之氏の言葉です。

 先月行われた女子ツアーの「マスターズ女子レディース」で笠りつ子が風呂の脱衣場でストレッチする際に、バスタオルが常備されておらず係員に「タオルを出してほしい」と要求、ゴルフ場側は例年このトーナメントではバスタオルが数多く紛失するため、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の了解の下にトーナメント期間中はタオルを常備しないことになっていた。

 これを知らない選手の笠がコースの風呂場にタオルが置いてないことに腹を立て、スタッフに対して「何で置いてないのか」と食ってかかり、「タオルを出せ」「出せない」の押し問答のあげく、コースの副支配人に対して「頭が固い。死ね」と暴言を吐いたらしい。

 この件については自分のサイトに10月31日付けで、会場で関係者に対して不適切な発言をした当事者であることを認め、謝罪文を掲載し当面の間「ツアーへの出場は自粛させていただきます」と公表しました。

 男女プロゴルファーに限らず一般ゴルファーもマナーに欠ける行為を平気でする人が多くなってきました。ゴルフ場の風呂や洗面所に常備しているタオルの紛失はどこのゴルフ場も頭の痛い問題です。

 とくに洗面所に置いてあるフェースタオルは汗拭きにいいのかポケットに1、2枚忍ばせて行く人が多い。ゴルフ場によっては洗面所にフェースタオルの代わりに手拭き用のペーパータオルに代えているところがあります。

 夏場の暑いプレーの場合、汗拭き用のフェースタオルを忘れて、ゴルフ場のフェースタオルを拝借ということでしょうが、この持ち出したタオルは不思議と戻ってきません。

 以前、当クラブでは持ち出しお断りより、「汗拭きタオルを忘れた方は、持ち出しOK、ただし必ず元に戻してください」と張り紙をしたことがありましたが、残念ながら回収率は低く、結局「持ち出し厳禁」の張り紙に代えました。

 女子ツアーを開催しているクラブの支配人から聞いたことがありますが、「女子プロの行儀の悪さには壁壁しますよ。脱衣場のタオルは濡れたまま、そこら中に使い放し。バスタオルもタオル入れに戻さず平気で床に投げ捨てられ、女性の脱衣場とは思えませんよ。」と嘆いていたのを覚えてます。

 こうした不始末に対してマスターズGCも女子プロゴルフ協会と相談しタオルを出さないことを伝え了承を得ていたという。笠の不適切発言の前に女子プロ全員がもう少し社会人としての自覚を持ち常識的行動をするように望みたい。

日本初のUSPGAツアーが今週始まります。

 いよいよ今週24日から日本初のUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ選手権」が習志野CCで始まります。

 マスターズで見事、復活優勝したタイガー・ウッズをはじめツアー選手権に勝ち年間王者となったローリー・マキロイやジョーダン・スピース、ジェイソン・デイ、ババ・ワトソンさらには松山英樹など名だたるトッププレーヤーがやってきます。

 日本のコースでUSPGAツアーが見れるのは、ZOZOのオーナーだった前澤さんのお陰。何かと話題を提供してくれる前澤さんですが、ZOZOを手放したものの、この試合は3年契約されているので、来年・再来年と3回は楽しめることになります。USPGAツアーの日本開催は画期的な出来事です。

 試合の模様は世界にライブ中継され、日本のファンのみならず世界中のゴルフファンが注目するビッグトーナメントです。ホントに楽しみです。

ゴルファーは誠実で正直でなければならない。

 朝晩ようやく涼しい風を感じるようになったとはいえ、10月に入っても連日30度を超す気温が続いています。ゴルファーの服装を見てもまだ短パンに半袖シャツの夏ファッションの方がおられます。

 今日10月第1週の日曜日は、KGU傘下のゴルフクラブはクラブチャンピオンとシニアチャンピオンを決めるクラブ選手権とシニア選手権の予選が一斉におこなわれてます。

 競技委員とスタートに立ち会い、ゴルフ談義で「わざと誤球を打たせるような同伴者がいる」などと面白おかしく経験談を交えたゴルフ談義を聞いてました。

 ゴルフというスポーツは審判員のいないプレーヤー自身がジャッジしスコアを自己申告する正直を前提として競技が成り立ってます。ゴルフマナー評論家の鈴木康之氏はこう書いてます。

 「ゴルフは誕生以来永々とプレーヤーの正直を前提にして存続してきた。ゆえにゴルフは偉大なゲームであり、偉大な文化である。この偉大な歴史に、そして自分のゴルフ史に一点たりとも虚偽の汚点を残してはならない。」と。

 ボールを林に打ち込み自分しかいないことをいいことに、OB杭のわずか10センチ外のボールを内に入れたり、木の根っこに止まったボールを足で動かしたりという悪魔の囁きに負ける方がいます。

 競技ではないし、親しい仲間同士のプライベートゴルフだから少々ボールを動かしてもいいだろうと自分だけの勝手な理屈でプレーする人がいます。

 しかしいくらプライベートゴルフだからとはいえ、安易にボールに触れたり動かしたりは厳に慎むべきです。この業界に長くいると関西でも名の通ったシングルプレーヤーが「あの男は玉子を産むから要注意」といったレッテルを貼られた人が意外と多くいることに驚かされます。

 広大な敷地にレイアウトされたゴルフ場の林の中に入れば人目につきませんが、隣のホールから見えたり、コースの作業員が周辺にいたりと意外に人に見られることが多く、悪いことはできません。同伴者の目をごまかせてもこうした目撃者の目を覆い隠すことはできませんし口をふさぐこともできません。不正を働く要注意人物の烙印を押されたら終わりです。肝に銘じてください。  

               奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇

ゴルフ場利用税廃止の声を。

 2020年東京五輪・パラリンピックの開幕まで1年を切り、五輪に関連する番組を目にしない日がないほどです。2016年のリオネジャネイロ五輪で五輪競技に復帰したゴルフは、来年の東京五輪では霞ヶ関カンツリー倶楽部で行われます。すでに世界的な名設計家トム・ファジオの手によりコース改造も完了したといいます。

 米国に次ぐゴルフ大国・日本といわれますが、プレー人口の減少に歯止めがかからない状況にあります。ゴルフ人口減少の一因にゴルフというスポーツの負のイメージがあります。即ち金がかかり過ぎて金持ちの遊びや法人の接待に利用されてきた「緑のお茶屋」といった過去のマイナスイメージが今に至っても消えないことにあります。

 このため今もゴルファーには担税力があるとの理由でプレーごとにゴルフ場利用税(800円~1200円)が消費税とは別に二重課税されてます。

 このゴルフ場利用税は消費税が導入される前までは「娯楽施設利用税」といってパチンコ、麻雀、ボウリング、ビリヤードなどの利用に対し地方税として徴収されていました。消費税が導入された1989年にこの「娯楽施設利用税」が廃止になったものの、ゴルフだけが「ゴルフ場利用税」と名を変えて今日まで徴収され続けているのです。

 スポーツに税金を課す日本の悪しき税制、しかも消費税との二重課税などゴルファーが増えず減少一途の一因でもあります。

 日本経済新聞(9月13日スポーツ面)の国際ゴルフ連盟のピーター・ドーソン会長のインタビューで同会長は「今のゴルフはれっきとしたスポーツであり、年齢やレベルの違う人たちがともに楽しめる生涯スポーツである。五輪競技となった今でも、他の競技と平等に扱われていないのは残念だ」と日本のゴルファーに課すゴルフ場利用税を批判しています。

 9月3日~6日までの期間、当クラブで一般社団法人・日本ゴルフツアー機構のQT2ndを行いましたが、海外プロ選手20名を含めて112名が参加して行われました。これに先立ち、ゴルフ場利用税の免税もしくは軽減措置を奈良県中南和県税事務所に申請しましたが、「業務利用は、利用者が利用料金を一切払わない場合に限られる」と一蹴されました。

 QTに出場するために海外を含め北は北海道から九州まで日本各地から奈良へ来て1週間、滞在しプレー代だけでなく滞在費など奈良県下に相当のお金をおとしていってるわけです。こうした現状を考えれば、プロ競技であるQTは当然免税にして当然と思いますが、いかがでしょう。

ゴルフ振興策を考える。

 ゴルフ業界はゴルファーの減少と共に入場者の減少傾向にどう歯止めをかけるかが喫緊の課題です。しかしながらゴルフ団体の主導するゴルフ振興策といえば、現状のゴルファーとくに時間の余裕のある年金受給者のシニアゴルファーをターゲットにした平日の安売り企画で、プレー回数を増やす小手先の企画でお茶を濁しているのが現実です。

 もっと長期的な視野に立った新しいゴルファーを発掘する魅力あるゴルフ振興策に取組まなければなりませんが、建前が優先するゴルフ場業界では実効ある振興策はなかなか実現できません。ゴルフ振興基金と称してゴルファーから30円を徴収している関西ゴルフ連盟も「チャリティゴルフフェスタ」「フレンドカップ」「ペアスクランブル」といった競技企画をしてますがほとんどが平日開催。参加者の多くはリタイヤしたシニアゴルファーです。

 現役世代にもっとゴルフできる機会や環境を与えることを真剣に考えなくてはならないのに、土曜・日曜・祝日のエントリーは難しく料金も高い。さらに平日のエントリーでも名門コースは固く門戸を閉ざしており、20代、30代の現役世代がゴルフしたくてもそう簡単にゴルフができる状況にありません。

 現在のゴルフ人口の7割は65歳以上のシニア層が占めています。60歳以下の現役世代がゴルフ人口の核にならないとゴルフの将来性はないといっても過言ではありません。

 奈良県ゴルフ協会がこの夏、県下ゴルフ場に現役世代が参加できる土曜日を一部開放して「サタデーチャレンジゴルフ」を呼び掛けました。賛同した一部のゴルフ場で実施したところ、平日に開催する協会の県民ゴルフ参加者の9割が65歳以上なのに対して、逆に7割以上が59歳以下の現役世代の参加者で大変好評だったといいます。

 当クラブでも7月27日(土)に協会後援の「サタデーチャレンジゴルフ」を開催したところ、35組を超す応募があり31組121名の方が参加されました。当日はあいにくの悪天候にもかかわらず2組キャンセルがあっただけでした。いかにこの現役世代が休日に安くゴルフができる機会を求めているかがよく分かります。

 会員制ゴルフ場にとっては、そう易々と安く休日開放することは難しいと思いますが、1組か2組を全ゴルフ場が現役世代に開放すれば違った意味での盛り上がりがあると思いますし、新しい現役世代のゴルファーの発掘にもなると思いますが、いかがでしょう。     奈良柳生カントリークラブ総支配人・阪口 勇

 

奈良県ゴルフ協会後援競技、無事終了しました。

 奈良県ゴルフ協会が後援する「サタデーチャレンジゴルフ」が本日行われました。台風が前日に発生し紀伊半島に近づく悪天候ながら121人が参加して熱戦が繰り広げられました。

 奈良県ゴルフ協会が主催する県民ゴルフ競技は平日の開催に限られているため、参加者のほとんどは60歳以上のシニアゴルファーが多く、現役世代の若手ゴルファーにゴルフの機会を与えるべく「サタデーチャレンジゴルフ」に当クラブでも協賛し行ったところ、60歳までの現役世代が多数参加されました。

 台風はそれたものの朝から雨が降り続き最悪のコンディションでしたが、無事ホールアウトしていただきました。参加された皆さん、これに懲りずゴルフを楽しんでいただければと思います。奈良県ゴルフ協会では8月末まで、奈良県下ゴルフ場で現役世代が参加できる「サタデーゴルフ」を開催していますので、ぜひご参加ください。

本日の成績表はこちら

クラブ14本は多すぎませんか?

 クラブ14本多すぎませんか?プロ・アマ問わず道具に頼らずもっと技(わざ)というかテクニックを磨いてスコアメイクして行くゴルフの原点回帰が必要だと思います。

 曲がらずより遠くへ・・・ゴルフ道具の進化は止まるところをしらない。プレーヤーの所持するクラブの本数は14本までとなってますが、果たして18ホールをプレーするのに14本も必要なのだろうかといつも疑問に思ってます。あるに越したことはありませんが、あまりにも現在のゴルフは技よりも道具に頼りすぎているのではないでしょうか?

 日本経済新聞の7月21日の特集記事「ヒッコリーゴルフ原風景を愉しむ」を読んでいてゴルフも昔の原点に戻らなければいけないなと痛感しました。

 記事によると1920年代ごろまではヒッコリーの木製シャフトやアイアン、パターなど6・7本を細身のキャディバッグに入れプレーヤー自身が肩に担いでプレーしていたという。いわゆるセルフプレーです。現在のように14本のクラブを大きなキャディバッグに入れると15キロ以上、プレーヤー自身が担いでプレーするには大変であり、キャディに担がせることに。(現在はカートに載せキャディが世話していますが。)

 人手不足の昨今、キャディ確保が困難になってきている折、ヒッコリーの時代のようにクラブの本数も7本くらいに制限してセルフプレーに原点回帰すべき時だと思います。

 日経新聞の特集にはヒッコリーのクラブで名門・鳴尾ゴルフ倶楽部でプレーする様子が紹介されていました。「ハンチング帽にニッカボッカ姿でプレー。ショットを終えると小ぶりなキャディバッグを肩に担いで歩き出す。電動カートまでクラブを取りに行く手間もなく、テンポよく進む。芝生や木立の中で自然のままプレーする姿がゴルフの原風景を感じさせた」とある。

 近代ゴルフは用具の進化と共に発展してきました。プロですら道具(クラブ・ボール)に頼っており、アプローチウェッジなど50度から60度まで1度刻みに用意されているし、ウッドとアイアンの中間のハイブリッドクラブなど次々開発されています。

 プロであれば1本のウェッジで開いたりかぶせたりしてあらゆるアプローチショットを見せてもらいたいものです。これこそが道具に頼らないプロの技だというようなテクニックこそがゴルフの面白さだと思うのですが。

 より遠くに飛ばすためのクラブやボールの進化で全長7000ヤードのゴルフ場がもはや長いと言えなくなってきました。500ヤード超のミドルホール、600ヤード超のロングホールなど全長8000ヤードのゴルフ場でないとチャンピオンコースと言えなくなってきました。

 狭い国土の日本でゴルフ場の拡張や超ロングのゴルフ場を新設することは、もはや不可能だけにクラブやボールを逆に抑えるとかクラブの本数を7本程度に抑えるとかしてゴルフの原点である牧歌的ゴルフに戻ることを考える時期でははないでしょうか。  奈良柳生カントリークラブ総支配人・阪口 勇

環境汚染の元凶プラスチックごみ。

 世界の首脳が一堂に会したG20大阪サミットの開催期間中は、阪神高速や大阪市内の幹線道路が大幅規制されるなど市民生活に大きな影響がありましたが、無事閉幕され何よりでした。

 G20大阪サミットではプラスチックごみによる環境汚染が取り上げられ、2050年までに使い捨てプラスチックなどによる新たな汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。

 スーパーマーケットやコンビニでもビニール袋の有料化などプラスチックごみの減少・廃止に取組みつつあります。確かにスーパーやコンビニに限らずビニール袋などプラスチック製品は社会に溢れています。簡便で便利しかも使い捨てができることから大量消費され、環境汚染の元凶になっています。

 ゴルフ場でも風呂の脱衣場に置かれている着替えた下着などをいれるビニール袋、スコア記入用の鉛筆、ボールマーカー、歯ブラシ、髭剃りなど常備しており、いずれも使い捨てで素材はプラスチック製品です。

 果たしてゴルフ場でこれらを常備する必要があるのかなと疑問に思います。ゴルフ場の過剰サービスではないかと自省しています。昼食後の歯磨きを励行される方ならマイ歯ブラシを持参すればいいことだし、髭剃りなどは朝の洗顔時に髭を剃ってくるわけで、入浴時に髭剃りは不要だと思います。

 風呂の脱衣場に置いている洗濯用ビニール袋も環境破壊の最たる物だと思います。手軽なランドリー用バッグを各人が持参すればこと足りると思います。

 ボールマーカーも多くのゴルファーがキャップに付けるマーカーをお持ちだし、コイン型のマーカーをほとんどの方がポケットに入れている現状からすれば、従来のゴルフ場のロゴマークが入ったプラスチック製のボールマーカーは不要だと考えます。

 厄介なのがスコアを記入する、カードに挟めるプラスチック製エンピツです。これこそまさに18ホールのプレーを終えればお役御免でポイ捨てしてしまいます。使用後返却してもらってもエンピツの先が丸くなって再利用するのは、次のお客様に対して失礼になるため消却処分せざるを得ません。スコア記入用のお洒落でスマートなマイペンシルを誰か考案してくれないかなといつも思っています。

 ゴルフが金持ちのスポーツから大衆化しシニアに最適な国民的スポーツになった現在、至れり尽くせりの過剰サービスを排してコスト削減をはかり低料金化に反映させ、しかも環境問題に積極的に取り組んで行くことが必要だと常々考えてますが、この考え、間違ってるでしょうか。  奈良柳生カントリークラブ総支配人・阪口 勇

 

 

試合観戦もゴルファーらしく品格をもって。

 男子、女子に限らずツアーをテレビ観戦することが多い。レイアウトやコースのセッティングなどの勉強のためにテレビを見ていますが、贔屓の選手が優勝争いをしていると肩に力が入ってしまいます。

 今年の女子ツアーは黄金世代と言われてる選手が活躍し次々と初勝利を手にしています。イ・ボミやキム・ハヌルといった韓国の強豪選手が調子をおとしていることもあり日本人選手の活躍が目立ちます。

 先週に行われた「ヨネックスレディース」最終日、上田桃子とキム・ヒョージュが優勝争いしていた時、キム・ヒョージュがダブルボギーを叩いた時にギャラリーから「ありがとう!」の声が聞こえたそうです。

 心無い声援に近くのギャラリーは一瞬凍り付いたそうです。いくら日本人選手に勝たせたいという思いが強くても、相手のミスを揶揄したり、手を叩いたりするのはマナー違反ですし、周りの良識あるゴルファーにすれば何とも恥ずかしい行為だと眉をしかめたと思います。

 こうした贔屓の引き倒しといえば、過去に岡本綾子が米国ツアー賞金王になるなど活躍していた時に、「マツダジャパンクラシック」で岡本とジャン・スティーブンソンが優勝争いしていた14番ホールで、スティーブンソンがボギーを叩くとギャラリーから「ナイスボギー」と声がとんだ。この声に対戦中の岡本が「何でそんな応援をするのか」と涙を流しながら猛抗議。さらに岡本は試合後に「私もアメリカで何度も優勝争いをしているアメリカ人からすれば外人ですが、アメリカの人は私に勝たすなというようなヤジはありませんし、むしろ激励の声援をフェアーに送ってくれます。」というエピソードを思い出しました。

 心無いヤジや声援が名勝負を一瞬にして白けさせます。ギャラリーはゴルファーらしく品性・品格をもって素晴らしいプレーに拍手や声援を送り試合を盛り上げてほしいと思います。  奈良柳生カントリークラブ総支配人・阪口 勇