「握り」はプレーのいい刺激剤。

 ゴルフでは賭けのことを「ベット」とか「握り」といってます。ゴルフの握り(ベット)は常識の範囲でやるならプレーにはいい刺激になると思います。しかしながら法治国家であるわが国ではいかなる賭け事も許されません。しかし警察もわれわれ庶民ゴルファーのわずかな賭けまで取り締まるほど野暮ではありません。

 ゴルフの賭けのことを「チョコを握りませんか?」というように、昔のゴルファーたちはささやかに1枚50円、100円程度のチョコレートを賭けてゴルフをしていました。40年以上前のゴルフ場のプロショップには当時1枚50円~100円程度の板チョコが実際に販売されていました。

 慎ましい「握り」(賭け)で勝者はチョコレートを土産として家に持って帰り、家族にゴルフで勝った自慢話と共にチョコレートを戦利品として差し出したものです。

 貴族のスポーツ、紳士のスポーツといわれていた戦前のゴルフも戦後の経済成長と共にゴルフがビジネスに利用されるようになってゴルフが俗化してしまいました。

 成金ゴルファーが増えるにつれゴルフの「握り」も100円が千円、1万円、10万円と恐ろしく高額なレートの賭けが行われるようになって行きました。バブリーな時代には50万円、100万円単位の金のやり取りがあったとか、朝乗ってきたベンツを賭けたりとかの常軌を逸した勝負をしていた嘘のような本当の話があります。バブルがはじけた現在、こんな馬鹿げた賭けゴルフはお目にかかれませんが。

 ゴルフにおける「握り」はプレーのいい刺激剤になります。それだけに常識の範囲内で楽しんでいただきたいと思います。反面、賭けゴルフをすると勝負にこだわって自分のゴルフができないから嫌だというゴルファーも多い。やたら「握り」たがるゴルファーもいますが、無理強いをせずケースバイケースで相手をみてするようにお願いします。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇

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