関電の企業向け電気料金値上げ。

 円安・株高などアベノミクス効果による景気の上向きが期待されますが、はたして手放しで喜んで良いものかどうか。関西電力の電気料金が4月から大幅にアップされます。オール電化の当クラブにとっては電気料金の値上げはあまりにも負担が大き過ぎます。

 関電担当者と4月からの契約更新について何度も折衝を重ねてきましたが「これだけ(値上率)は決まったことなのでどうしょうもありません」の一点張り。値上げによる電気料金が当クラブでどれだけ増えるかといえば、従来通りの「大口電力」(最大デマンド500キロワット)のままだと350万円~400万円の増だといいます。これに円安による輸入燃料費(オイルやLPG)がかさめばかさむほど電気料金にスライドして上がっていきます。

 少しでも電気料金の値上げによる負担を減らす方策はないかと関電担当者に相談した結果、デマンド500KWの「大口電力」から最大デマンドを前年度の最高値の406KWの「特定規模需要供給条件」なる契約に変えればとの提案を受けました。

 どういうことかといえば前年の契約の最大デマンド500KWを前年実績の最高デマンド406KWにすれば前年並みの電気料金が可能とのこと。ただし燃料費のスライド分は別。

 新契約の最大デマンド406KWは大きな賭けです。1年間406KWを超過しないことが大前提なのですから。1年の内、406KWを瞬間でも超すとペナルティとしてその超過デマンドが最大数値の需要電力となり1年間適用されることになります。こうなると今までの大口契約以上の電気料金を支払わなければならなくなります。

 このため契約デマンド406KWを超さないよう監視し管理を徹底しなければなりません。もっともデマンドの超過を警戒しなければならないのは1年の内、7・8月の猛暑期に空調がフル稼働する時期だけなので、デマンドの監視を徹底します。デマンドが400になれば即、空調関係等の電源をおとすなど迅速に対応しますので、冷房が若干効かず利用の皆様にご迷惑をおかけすることになるかもしれません。その際は、こういう事情があるということでご容赦下さいますよう、お願いいたします。

 当クラブを利用されている方はご存知の通り、原発事故以前から経費節減で電気の使用料を削減するため、チェックイン後の不要な電気・照明は消すなどの努力をしていますし、昨年3月からはクラブハウスの照明を消費電力の少ないLEDに切り替えるなどの努力をしています。しかしながら関電の電気料金がKWh当り2円44銭、率でいうと17・26%に値上げ、加えて円安による燃料費の高騰分がスライドされるわけですから企業努力だけでは限界があります。頭の痛い問題です。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇