来季の女子プロのシード権確定。

 LPGAの2018年賞金ランキングが確定しました。賞金女王は今季5回優勝したアン・ソンジュが4年ぶり4回目の女王に輝きました。

 今季のLPGAの賞金ランキングは先週の大王製紙エリエールレディースオープンで終了。最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは賞金ランキングから除外されることになりました。

 このリコーカップは今季のツアー優勝者と前週までの賞金ランキング25位までの者を出場者として、この大会に出場することのステータス、権威付けることになったそうです。

 こうしたことから今季の賞金ランキングが決定し、シードの50位までが決まりました。

 初シードは、黄金世代といわれる小祝さくら(賞金ランク8位)、松田鈴英(同10位)、勝みなみ(同11位)、新垣比菜(同22位)、原英莉花(同37位)、大里桃子(同49位)など11人が初シード権を得ました。

 一方シードの常連だった藤田さいき(同51位)、笠りつ子(同52位)、渡邉彩香(同55位)、金田久美子(同56位)、原江里菜(同56位)がシードを逃しました。また昨年、ルーキーとして大活躍した川岸史果(同60位)もシード落ちとなりました。

 こうしてみると女子プロも浮き沈みが激しく厳しい勝負の世界だということがよく分かります。

ゴルフ振興策について。

 ゴルファーの減少が下げ止まらない。ゴルフ業界では若い世代のゴルファーの発掘・育成強化を目的にゴルフ振興策に取組んでいるものの、旧来のゴルファーのゴルフ回数を増やすだけのゴルフ企画に終始し、新しいゴルファーの創出などほとんど実現していません。

 関西ゴルフ連盟(KGU)が旗振りしているゴルフ振興など振興金を集めるだけで、有効に活用されているとは思えません。

 KGU理事・監事クラブは近畿各府県の名門クラブといわれているクラブの理事長が選ばれています。こうしたお歴々が新しいゴルファーの創出のためのゴルフ振興策を唱えても実効性あるものが企画されると思えません。

 逆にこうした名門クラブこそがゴルフ振興を阻んでいることに気付いていません。名門クラブでプレーしたいと思っても一般エントリーは断られ、エントリーの門戸は固く閉ざされてますし、なんらかの伝手(つて)でエントリーできてもプレー代は平日でも2万円を超すといった状況で、気軽にゴルフが楽しめるでしょうか?ましてや若年層や現役サラリーマンの小遣いでゴルフに行けるだろうか?

 ゴルフは今も昔もお金に余裕のある人しか楽しめないスポーツ(遊び)なのです。ゴルフマナー評論家の鈴木康之氏はある書物でこう書いてます。

 「ゴルフは否応なしに金がかかる。ゴルフを楽しめる人は経済的にかなりゆとりのある人である。・・・・・・・・ゴルファーの誰もが、ゴルフを楽しむ機会をもっと何度も持ちたいはずだが、それができないのは、体力や時間がないわけではなく、経済的な事情が理由のはずである。家族と楽しみたい、仲間や後輩もゴルフに誘い込みたいのだが、それがしにくいのは、金銭的なことが足を引っ張るからである。

 ジュニアにゴルフを楽しませてあげたい。そうしないと裾野が広がらない。しかし、今日のゴルフの高コストでは、やはり一部の親の子どもにしかチャンスは与えられない。

 ゴルフを楽しむ機会をもっと増やすために、私たちがすべきことは質素志向のゴルフである。ゴルフプレー以外のサービスのために料金の高くなってるコースを避け、よりリーズナブルな料金設定に努めているコースを選択するようにし、そういうコースが栄えるように仕向けること。飛距離をニュークラブに求めたがる心をもっとスイングの改造に向けること。一度決めたクラブをもっと長く愛すること。」

 と鈴木康之氏は書いてます。ゴルフが大衆化しプレー代もバブルの時代からみればかなり安くなりました。とはいえゴルフを楽しめる人はまだまだ経済的に余裕のある人だと思います。こうした問題にどう取組んでいくかを本音で議論して行かなければ真のゴルフ振興策など生まれてこないと思います。
 

増やそうゴルフ女子!

 週刊ゴルフダイジェスト11月20日号を読んでいたら「増やそう!ゴルフ女子」“女性が増えればみんなが幸せに”の見出しが目に飛び込んできました。

 ゴルフ人口の減少が続くゴルフ業界にとって女性ゴルファーを増やすことは最良の方策、何かヒントがあればと熟読しました。

 この記事によると日本の女性ゴルファー(利用者)はゴルフ場大手のアコーディア、PGMによると2017年の女性ゴルファー率は12・2%だそうです。

 老若男女が等しく楽しめるスポーツといわれている割には、女性ゴルファーが意外に少ない?ように思われます。バブル期には“私をゴルフに連れて行って系”は多かったようですが、最近の女性ゴルファーは自分のお金で自分で行く“自立系”女性ゴルファーが増えているそうです。

 経済的にも自立した女性でゴルフを“生涯の財産”ととらえ、ゴルフで求められるマナー・エチケット、社交性、人脈作り、決断力など社会で求められることをゴルフを通じて得ることができ、さらに人として成長できるとゴルフに真剣に取り組む女性ゴルファーが増えているともいわれてます。

 女性に限らずこれからゴルフを始めようとする初心者にとってゴルフは一歩目のハードルが高いことがネックになってます。

 まずお金の問題。クラブなどの用具が高い。コースに出るまでに練習場に通うのにお金がかかる。ゴルフ場でのプレー代が高いことが足かせになっています。
 
 次に時間がかかるという問題。ゴルフ場への往復、そして18ホールのプレー時間が長い。丸一日かかるといった問題が指摘されてます。

 こうした経済的・時間的問題をどう解決していくかがゴルフ業界の課題だといえます。

 

2018QT2nd全選手データによる難易度。

JGTOからいただいた全選手のスコアをホールバイホールで入力したデータで奈良柳生CCのホール難易度がわかります。各ホールのイーグル、バーディ、パー、ボギー、ダブルボギー、トリプルボギーなどが入力され、そのホールの平均スコアを小数点以下まで出した数字でホールの難度をまとめています。

 4日間、延べ377人のスコアによると、難易度1番は10番ホール(453ヤード、パー4)で、バーディ32人(8・5%)、パー238人(63・1%)、ボギー76人(20・2%)、ダボ16人(4・2%)、トリプル10人(2・7%)、それ以上が5人(1・3%)ということで平均スコアが4・34のオーバーパーでした。

 難易度2番は4番ホール(194ヤード、パー3)と15番ホール(427ヤード、パー4)で平均スコアは4番が3・19、15番が同4・19で同じでした。。次いで16番ホール(205ヤード、パー3)の同3・17、そして5番目の難易度は17番ホール(407ヤード、パー4)で同4・12でした。

 逆に1番易しいホールは11番ホール(535ヤード、パー5)でイーグルが5人(1・3%)、バーディ180人(47・7%)、パー168人(44・6%)、ボギー17人(4・5%)、ダボ6人(1・6%)、トリプル1人(0・3%)、それ以上はなく平均スコアは4・58でした。次いで易しいホールは6番ホール(402ヤード、パー4)で同3・84.3番目に易しいホールは18番ホール(580ヤード、パー5)の同4・85でした。

 データを見るとショートホール(4番3・19、7番3・1、14番3・08、16番3・17)、は全てオーバーパーとなってますが、逆にロングホールは先の11番、18番以外のロング(2番4・99、8番4・96)も全てアンダーパーになっています。

 当クラブのロングホールは比較的しっかり距離もありますが、ほとんどの選手がセカンドショットをアイアンで果敢に2オンを狙い易々バーディを取っていきました。選手の体力や体幹の向上とともにクラブやボールの進化は著しく、4日間で20アンダーは当たり前の時代になってきました。
 

奈良県ゴルフ協会主催のサタデー盛夏杯

 本日は、奈良県ゴルフ協会が平日に休めない忙しいサラリーマンのために、土曜日に会員料金でプレーできる「サタデー盛夏杯」を奈良柳生カントリークラブで開催しました。

 奈良県ゴルフ協会主催の県民ゴルフは、奈良県在住もしくは奈良県在勤者であれば誰でも参加できる競技会として親しまれていますが、参加者は60歳以上のリタイアしたシニアゴルファーが多いため、ゴルフ振興策の一環として現役世代の参加しやすい土曜日に「サタデー盛夏杯」を開催するということで、当クラブも協賛し第1回を実施しました。

 今年度の県民ゴルフ以外に急きょ企画された競技だけに告知が十分でなかったものの、企画趣旨である60歳以下の現役ビジネスマンや女性ゴルファーに参加してもらうという目的通り現役世代47名が参加して18ホール・ストロークプレー(参加者全員ダブルペリア)で熱戦が繰り広げられました。

 優勝は井上忠勝さんが33、35、68の素晴らしいスコアでハンディキャップも-1・2ながらネット69・2の見事な成績で獲得しました。2位には立石泰啓さんが42、45、87、ネット70・2で入り、3位に立石翔さんが42、3、81、ネット71・4で入りました。

※写真上は、競技委員よりルールの説明とマーカー指定を受けているところ。写真下は2位に入賞した立石泰啓さん(右)に阪口総支配人から賞品が贈られた。

日本一距離の長いコースで熱戦が展開。

 ~全英への道~ミズノオープンは日本一距離の長いコース「ザ・ロイヤルGC]で開催されました。テレビ観戦をされた方も多く見応えがありましたね。

 ザ・ロイヤルGCは全長8007ヤード、16番ロングホールは705ヤードとアマチュアゴルファーには手に負えない世界基準のトーナメントコースです。

 トーナメントは秋吉翔太が唯一、通算1アンダーパーで優勝しましたがモンスターコースに相応しい難コースであることをまざまざ見せつけられました。全長8007ヤードのコース設定でしたが、そのまま使用したのは3日目だけで残り3日間はティーグランドを前に出し7700ヤード前後で行われたそうです。

 ただ名物ロングの16番ホールだけは4日間とも705ヤードで行われました。テレビで見ましたが、日本のトーナメントプロがドライバーでフルショットして第2打も直(じか)ドラでも誰一人2オンしませんでした。風の影響もありますが、ドライバー、ドライバーと打って第3打もウッドを手にしたプロもいました。まさにモンスターホールでした。

 藤田寛之プロがこのザ・ロイヤルGCは「コースレイアウトやハザードの位置、グリーンのアンジュレーションなど上手くレイアウトされており、ボールをちゃんとコントロールしないと攻略できない、いいデザインのコース」だと絶賛しています。

 トーナメントプロが競うコースとしては世界基準の超一流であっても、ふだん利用するアマチュアゴルファーにとっては果たして面白いのだろうか?という疑問が残りました。

 世はシニアゴルファーが年々増えてきており、70歳・80歳の高齢者ゴルファーのために全長4800ヤードくらいに短縮するピンクティー(コースによってはパープルティーとかブラックティーなど呼び方は違いますが)設置が増えてきてる昨今、プロトーナメントはより距離を長く難しくし、一方アマチュアの高齢者ゴルファーには距離を短くしてパーを取り易くするという一見、矛盾するようですが、プロを対象としたコースセッティングと高齢者ゴルファーを対象としたコースセッティングでは目的や意味が違うということです。

 プロは難攻不落のコースに果敢に挑戦して行くエキサイティングなゴルフを。一方、高齢者ゴルファーには体力や技量に応じた距離設定をしいつまでもパープレーに挑戦して行くゴルフ本来の楽しさと、いつまでも健康でゴルフを続けていただこうという狙いがあります。

 

 

ゴルフには変わらぬ伝統的精神がある。

 わが国のゴルフは昭和30年代の経済成長と共に発展してきました。法人マネーを頼みにスポーツ競技というより遊興ゴルフを楽しむことを目的に発展してきた経緯があります。

 本来ゴルフは紳士淑女の礼儀作法を根底としたゴルフマナーが最も重視されるスポーツであることは、ご承知のことと思います。しかしながらゴルフが大衆化されると共に、ゴルフを楽しむ振舞いや装いなど時代と共に多様化してきました。

 ただ時代の変遷と共に多様化する価値観であっても変わらぬ伝統的精神があります。それはまさに他のプレーヤーへの配慮や思いやり、そしてゴルフコースをいたわり大事にする努め、さらにはゴルフ場に職業や地位を持ち込まない平等の精神です。

 ゴルフは下手でもいい、楽しめます。だけどマナーやルールを知らないとゴルフができなくなります。人のプレーを妨げたり、人を不愉快にさせる言動や行動をする無作法者は人に嫌われ、善なるゴルファーは近寄らず、さらにはゴルフ仲間も去って行きます。

 ゴルフの何よりの効用は身分や地位、さらには老若男女などの違いを超えてゴルフを楽しみ通じ合えることにあります。言い換えれば、ゴルフを通じてゴルフ友だちを増やし交友関係を広げて行ける素晴らしいスポーツです。この機会にご自身のゴルフスタイルを振り返ってみてはどうだろう。

一流は一流を知る。

 

  「一流は一流を知る」とかいいます。週刊パーゴルフの今週号(5月8・15日号)を読んでいたところ、米ツアーで初優勝した小平智の「本誌だけが見ていた!小平智ポーカーフェースの裏側」という特集記事にフィル・ミケルソンとのマッチプレーで戦った時に大きな収穫を得たことが書いてます。

 記事によると二つの収穫を得たといいます。そのひとつは、小平は、ミケルソンの素振りを見て自分との違いを明確に感じたそうだ。米ツアーはグリーン周りが難しく小平も苦戦していたが、ミケルソンからヒントを得たといいます。

 「ミケルソンの素振りに意思があるんです。こういう球を打ちますよという感じでクラブを振ると空想のボールが見えました。またあの辺に落としてという漠然としたものではなく、ボールとカップが線で結ばれているように寄っていくんです。自分もカップインするように線で結んでイメージをしっかり出したら寄るようになりました」と。

 凡人ゴルファーの多くはアドレス前の素振りは単なるルーティンとしてクラブを振っているだけではないだろうか?なるほど小平がいうように素振りこそ明確な意思をもって、どう打つかを集中して行うことが大事だということが判りました。ゆめゆめショット前の素振りを軽んじないよう、肝に銘じてください。詳しくは週刊パーゴルフをご覧下さい。

KGUの公式競技でもセルフプレー化に。

 ゴルフ場の人手不足は深刻です。ゴルフ場に限らず飲食業やコンビニエンスストアなどのサービス業全般にいえますが、学生アルバイトや主婦のパートなどの応募がなく24時間営業を廃止するところも少なくありません。

 ゴルフ場もキャディのなり手がなく慢性的なキャディ不足でセルフプレーが常態化してきてます。関西ゴルフ連盟主催の公式競技の予選などはセルフプレーで行うようになってきました。キャディの派遣会社に派遣を依頼しても希望の人数どころか1人も派遣できない状況だといわれてます。

 各ゴルフ場もキャディ不足でクラブ競技でも完全セルフ化の傾向にあり、日清都CC、タラオCCといった有名ゴルフ場も早くからクラブ競技の全面セルフ化を取り入れてるそうです。

 日本のゴルフ場の75%くらいはセルフプレーを導入しており、今後もセルフプレー化は増加していくのは間違いのないところです。当クラブでもキャディの求人募集や学生アルバイトの募集など八方手を尽くしてますが、応募はほとんどなく4月からクラブ競技でもやむ得ず一部セルフ化を取り入れてます。求人の応募があっても50代の中高年男性が問合せしてくるくらいでホントに頭の痛い問題です。

 都心から離れた山間部に位置するゴルフ場は通勤に1時間近くかかることもありパート・アルバイトにとっては敬遠される理由のひとつでもあります。近い将来、キャディという職業は消えていくのではないかと思います。どうしてもキャディが必要だというゴルファーは、プロのようにキャディを帯同していくことになるかもしれません。

 

2019年施行のルール改正について。

 ゴルフルールの総本山R&AとUSGAから2019年に施行されるルール改正がこのほど発表されました。今回のルール改正については、施行の2年前に変更される改正案が発表され各国でモニタリングした結果を基に、このほど来年施行するルールの改正が決まりました。

 今回のルール改正はルールの簡略化とプレーの進行を早めるなどが要点となっています。すでに2019年ゴルフルールは英文で発表されてますが、日本語訳版も近々発表されるそうです。

 今回のルール改正はドロップ方法やグリーン上の旗竿や靴跡の修復、バンカー内のアンプレヤブルなどかなり衝撃的な改正でゴルファー間でも話題になりました。

 そのひとつドロップは当初案では地上から数センチの所からでもOKでしたが、「ドロップは膝の高さから真っ直ぐに」に変わりました。また「グリーンでパッティングの時、立っている旗竿に当っても無罰」「グリーンでスパイク跡の損傷は直せる」「バンカーのアンプレヤブルは2打罰でバンカーの外から打てる」「バンカーに球がある時、クラブが砂に触れても無罰」「ロストボールを探す時間は3分」などの大幅改正は事前発表通りのルール改正となりました。