試合観戦もゴルファーらしく品格をもって。

 男子、女子に限らずツアーをテレビ観戦することが多い。レイアウトやコースのセッティングなどの勉強のためにテレビを見ていますが、贔屓の選手が優勝争いをしていると肩に力が入ってしまいます。

 今年の女子ツアーは黄金世代と言われてる選手が活躍し次々と初勝利を手にしています。イ・ボミやキム・ハヌルといった韓国の強豪選手が調子をおとしていることもあり日本人選手の活躍が目立ちます。

 先週に行われた「ヨネックスレディース」最終日、上田桃子とキム・ヒョージュが優勝争いしていた時、キム・ヒョージュがダブルボギーを叩いた時にギャラリーから「ありがとう!」の声が聞こえたそうです。

 心無い声援に近くのギャラリーは一瞬凍り付いたそうです。いくら日本人選手に勝たせたいという思いが強くても、相手のミスを揶揄したり、手を叩いたりするのはマナー違反ですし、周りの良識あるゴルファーにすれば何とも恥ずかしい行為だと眉をしかめたと思います。

 こうした贔屓の引き倒しといえば、過去に岡本綾子が米国ツアー賞金王になるなど活躍していた時に、「マツダジャパンクラシック」で岡本とジャン・スティーブンソンが優勝争いしていた14番ホールで、スティーブンソンがボギーを叩くとギャラリーから「ナイスボギー」と声がとんだ。この声に対戦中の岡本が「何でそんな応援をするのか」と涙を流しながら猛抗議。さらに岡本は試合後に「私もアメリカで何度も優勝争いをしているアメリカ人からすれば外人ですが、アメリカの人は私に勝たすなというようなヤジはありませんし、むしろ激励の声援をフェアーに送ってくれます。」というエピソードを思い出しました。

 心無いヤジや声援が名勝負を一瞬にして白けさせます。ギャラリーはゴルファーらしく品性・品格をもって素晴らしいプレーに拍手や声援を送り試合を盛り上げてほしいと思います。  奈良柳生カントリークラブ総支配人・阪口 勇