コロナ禍でゴルフスタイルが変わっていくかも。

 昨日(12日)の奈良県内の気温は急上昇し、奈良市内では午後1時には気温30度を超す30・3度の真夏日を今年初めて記録したそうです。

 コロナ禍で感染症拡大防止の対策として各ゴルフ場もセルフプレー、スループレー、レストラン・ロッカー・風呂など閉鎖して営業している所もあります。このため服装も着替えをしなくていいようにゴルフができる服装で来場し、昼食もレストラン閉鎖のため弁当・サンドイッチを持参し、コース内で食べることを奨励しています。

 コロナ禍で日本のゴルフスタイルが大きく変わるかもしれません。日本の伝統的な接待ゴルフは、今後姿を消していくかもしれません。日本のゴルフはスポーツにあらず社交遊戯だとバブル期に揶揄されてきました。

 確かに当時のゴルフは経営者やリッチな人々が積極的にゴルフを楽しんでいたし、部下や知人にゴルフの効用を説き勧めていました。

 日本のゴルフは昭和30年代の経済成長期に接待ゴルフとして利用され、発展してきました。9ホールのプレー後に昼食し、その後9ホールをプレーし同伴者と5~6時間共にする。静かな緑の空間で共有する貴重な時間、互いの人柄や人間性を知ることができます。

 都会の喧騒から離れたゴルフ場であれば周りを気にせず腹を割って話ができ、外部に漏れることもありません。商談の場としてゴルフ場は最適だということだったのでしょう。

 ゴルフを社交遊戯と揶揄されていましたが、裏を返せばゴルフにはそれだけのメリットがあるからです。トランプ大統領が安倍首相とゴルフ外交した時、互いにゴルフを通じて人間性などを観察・確認したようです。

 トランプ大統領はよく「人間を知るには、食事するよりゴルフを一緒にすれば相手の人柄や人間性がよく判る」といってゴルフをビジネスのツールとして取り入れてます。

 バブル崩壊と共にゴルフも会社経費の接待ゴルフから年金生活者の身銭を切った健康維持のためのスポーツゴルフに移行しつつありますが、今回のコロナ禍でゴルフも余計なぜい肉を削った安くプレーできるセルフプレーやスループレーなどが定着して行くのではないかと思います。

ゴルフの持つ魅力。

 ゴルフは気のおけない仲間と一緒にプレーすることは何よりも楽しい。だからゴルフをしたいなと思うと、親しい仲間に声を掛け1組作ってゴルフを楽しむことになります。

 一方ゴルフは、全くの見ず知らずの人とプレーすることによって、親しくなりゴルフを通じて友情を育む仲になる効用?もあります。

 ゴルフの持つ魅力は、プレーを通じて良好な人間関係を構築できる魅力あるスポーツなのですから。

 何ゆえにゴルフは多くの人に愛される魅力あるスポーツなのでしょうか?誰と同伴組になろうと「ゴルフは公明正大、挑戦と冷静、思いやり、感謝、社交、自律、自己責任、向上意欲、計画性、そして幾多の困難、失敗、挫折、恥の経験、そうした経験から身についた柔軟にして重厚な心・・・・・。」(鈴木康之著・ピーターたちのゴルフマナーより)。ゴルファーとはこうした意識や自覚をもって互いの人格を認め合い、リスペクトすることが学べる、まさに「知の芸」なのです。

ルール・マナー違反には誠意をもって注意を。

 同伴者と楽しくプレーしていても同伴者の不作法、即ちルール違反、マナー違反を目にすることがあります。親しい気心の合ったゴルフ仲間と一緒のゴルフでも、そういう時はなかなか注意しにくいものですが、コンペやクラブ競技で面識のない方と同組になった時に、そうした行為を目にすると正直、いうべきかいわざるか悩むことがよくあります。

 ゴルフにおけるルール違反、マナー違反は、その人のためにもしっかり指摘し注意をするべきだと思いますが・・・・・。明らかにルール違反、マナー違反をしている限り、こちらが正論であるわけですから遠慮する必要はありません。相手に恥をかかせるのが目的ではなく、善意で教えるあるいは気付かせるのが目的なのですから。相手も悪意のある違反ではなく知らなかった、気付かなかった、解釈を間違えていただけなので、逆に感謝されると思います。

 ゴルフマナー評論家・鈴木康之氏もいってます。「人の違反を指摘するのは快いことではない。しかしゴルフは前提に性善説を置いている。その人は違反に気がつかなかったのだろう、ルールを知らないのだろう、数え間違いをしているのだろう、悪意はないのだ、という前提に立って話しかければ気はラクである。事実そうかもしれないのだから。そして、性善説に立てば、言い方も優しくなる。糾弾ではないのである」と。

ゴルフ誌拾い読み、退屈しのぎにどうぞ。

 猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で国内の男女ツアーが開幕戦から一戦も開催されず中止の連続に、ゴルフファンも楽しみにしていたトーナメント観戦、テレビ観戦ができず鬱々とした気分で毎日を過ごされている方も多いと思います。

 古い週刊ゴルフダイジェスト誌に目を通していたら面白い記事を発見。退屈しのぎに抜粋して紹介します。以下同誌より。

 米PGAツアープロの本音が垣間見えると毎年話題を集める米ゴルフダイジェスト誌の恒例のアンケート調査が、今年も実施された。46人のプロの本音コメントを少しのぞいてみよう。

 昨季はマスターズで勝利と82勝目で完全復活したタイガー・ウッズだがプロたちはタイガーをどう見ているのだろうか?まず今年のメジャーで勝つチャンスは、YES60%。NOが40%。最も勝つチャンスのあるメジャーはというと、マスターズが89%。

 一方、ローリー・マキロイが今年マスターズに勝ってキャリアグランドスラムを達成するか?にはYESが89%。「100万%する」と確信する声がある一方で「保証はない。エルスやノーマンのようなこともある」との声もあった。

 ツアー勝利はメジャー1勝のみ、もしくはツアー3勝でメジャーなし、のいずれがよいかはメジャー1勝が95%と圧倒的。

 そして人生最後のラウンドをするならどこで?との問いにはオーガスタが62%、セントアンドリュースが14%だからオーガスタへの思いは深いようだ。

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 他に面白かったものとしてはツアーで一番の美人妻はアーロン・バデリー夫人のリシェルさんで22%、昨秋リッキー・ファウラーと結婚したばかりのアリソンさんも13%と、しっかりチェックしているもよう。

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 最後に、シャンクと4パット、どっちが恥ずかしい?にはシャンクが67%。「一度シャンクが出たら、次どこへ行くか分からない」と、やっぱりトッププロでも心配するようだ。

プレー ファストについて。

 週刊ゴルフダイジェストの海老原清治と奥田靖己の「もう一花のゴルフ」を欠かさず読んでます。副題に「齢を重ねてわかること」という通り長いプロ生活で得たゴルフ理論やゴルフ界の話題を対談形式で論じ合ってます。“なかなかタメに“なります。

 同誌3月3日号は、「プレー ファスト」について論じ合ってます。いい得て妙というか的確に言い当ててます。一部抜粋し紹介しましょう。

 海老原:プレーが遅い人って自分が遅いとは思ってないんです。

 奥田:前の組と2ホールも空いておればわかるでしょう。どれだけ人を待たせておるのか。人を待たせるのはほんまに罪です。

 海老原:人を待たせているということがわかれば、やっぱり「悪いな」という気持ちが出ると思うのです。だけど、自分は早いと思っているから、悪いと思わないんです。だいたい遅い人は自分の遅さがわかっていない。早いとさえ思ってるんじゃないかな。もちろん早い人も自分で早いと思っているから誰も遅くなくなっちゃう。

 奥田:エビ(海老原)さん自身は早いと思ってますよね。

 海老原:いや、僕は普通です。

 奥田:めちゃくちゃ早いですよ。

 海老原:ただ考える頭がないから、あれこれ考えずに打っちゃうというのはありますね。残り距離なんかも、だいたいそのホールの距離がわかっていればわかるじゃないですか。

 奥田:・・・・・・・・・・遅い人というのはチェック項目がぎょうさんあるから、7カ条、8カ条かわからんですけど、それを全部考えないと打てへんのでしょうね。僕なんか“ヘッドを振る“の1カ条だけ。

 海老原:初心者がチェック項目が多いのはしょうがないですね。

 奥田:スタンスの広さとか向きに始まって、体重配分とか挙げたらきりがあらへんです。そういうのは、上手(うま)なったら少ないはずやのに、ベテランのくせして遅いのがおるんですわ。

 いかがでしょう。ベテラン両プロいわく初心者があっち行ったり、こっち行ったりするのは仕方がないが、そこそこ上手いベテランが遅いのは許せないと断じています。自分のプレーは遅くないと思い込んでいる方はいつも一緒にプレーしている同伴者やキャディさんに「私のプレーは遅い?」と聞いてみるといいでしょう。

 

ティーを選択するためのガイドライン。

 米国でも日本と同じようにゴルファーの減少に歯止めがかからずいかにゴルファーを増やすか、また現在のゴルファーにいつまでもゴルフを楽しんでいただくかに腐心しています。

 米PGAとUSGAでは体力が落ちてきたゴルファーや力の劣るゴルファーに対して「TEE IT FORWARD」としてドライバーの飛距離に応じて18ホールの総距離のヤーデージ設定の距離でのプレーを勧めています。

 ドライバーの飛距離が275ヤードのプロ級であれば6800~6900ヤードの距離設定のコースでのプレーが適しているといいます。またドライバーの飛距離が225ヤードであれば5800~6000ヤードのコース設定でのプレーが相応しいと勧めています。

 ドライバーの飛距離に応じたコース設定は次の通りです。
 
 ドライバーの飛距離275ヤードの場合6700~6900ヤード
 ドライバーの飛距離250ヤードの場合6200~6400ヤード
 ドライバーの飛距離225ヤードの場合5600~6000ヤード
 ドライバーの飛距離200ヤードの場合5200~5400ヤード
 ドライバーの飛距離175ヤードの場合4400~4600ヤード
 ドライバーの飛距離150ヤードの場合3500~3700ヤード
 ドライバーの飛距離125ヤードの場合2800~3000ヤード
 ドライバーの飛距離100ヤードの場合2100~2300ヤード

 確かにドライバーの飛距離が200ヤードしか飛ばないのに6500ヤードを超すコース設定でプレーしてもパーオンは無理だしパープレーは不可能です。ゴルフはパーに挑戦して行くゲームだけに飛距離の落ちてきたシニアゴルファーや体力のない女性ゴルファーでもパープレーが可能である最適なコースの長さを選んでプレーすることを勧めています。 

好評だったチーム対抗戦競技

昨日(2月15日)は当クラブで奈良県ゴルフ協会後援の「チーム対抗戦競技」が行われました。

 この競技は奈良県ゴルフ協会のゴルフ振興の一環として、平日に休めないサラリーマンなど若手現役世代の方に、土曜日に低料金でゴルフを楽しんでいただくという趣旨で企画され、これに賛同し土曜日開催を引き受けました。

 奈良県ゴルフ協会主催の「県民ゴルフ」はすべてが平日開催で参加者のほとんどが60歳以上のリタイアされた高齢者?ゴルファーばかりで、若手現役世代の参加がほとんどない現実にゴルフ協会はじめゴルフ業界は危機感をもっています。

 若手現役世代を対象に土曜日開催に踏み切りましたが、果たして集まるだろうか心配しましたが、当初10組40名の予定が申込みが殺到し急遽10組追加しました。追加分もあっという間に埋まり、結果21組80名で行いました。

 チーム対抗戦競技は1チーム4名で申込み、その組のままプレーできるようにしました。競技性重視でなく親しいゴルフ仲間がそろって休日にゴルフを楽しんでいただこうという意図で行われました。

 競技は1チーム4名が同組で18ホール・ストロークプレー(全員ダブルペリア)でプレーし、各人のネットスコアの上位3名のトータルネットによりチームの順位を決めるというもの。

 男性チームは当然、男女混合チームやら女性ばかり4名のチームなど思い思いのチーム名をつけ争われましたが、女性4名の同遊会チーム(藤原美樹、三枝多美子、西島由美、金子未来さん)がトータルネット213.2で見事優勝されました。2位は216・3の男女混合のNOMADチーム(福井佳代、木村雅紀、木下繁夫、久本安英さん)が入りました。

 初めてのチーム対抗戦競技でしたが、プレー後のアンケートでは「大変楽しかった」という声が9割以上寄せられました。また今後開催すれば「参加したい」という意見も8割以上ありました。

ゴルフ場は地球温暖化防止に寄与してます。

 オーストラリアの森林火災が未だ鎮火せずオーストラリアの森林面積、数千万ヘクタールが焼失し日本全土の半分が焼失されたと報道されています。少し前には1000万ヘクタール超で北海道の面積を超すといわれてましたが・・・・。

 オーストラリアの山火事は高温と乾燥に加えて雨が降らないことが大きな原因です。報道によると昨年9月に発生した森林火災が全土に飛び火して半年を経た現在も衰えるどころか拡大していってるそうです。森林火災による生態系の変化やさらなる気象異常が懸念されます。

 これも地球温暖化による影響でしょう。地球温暖化の元凶といわれてる二酸化炭素(CO2)の排出削減を真剣に考えなければなりません。雪の降らない暖冬はゴルファーにとっては有難いことですが、地球規模で考えるといかに雪の降らない暖冬が異常であるかを真剣に考えなければなりません。

 ゴルフ場は緑の再生、即ち地球温暖化防止に大きく役立っていることをご存知でしょうか?九州大学の懸 和一名誉教授は、ゴルフ場の緑が営む光合成を基礎にCO2収支の視点から大気の浄化・温暖化防止にゴルフ場が大きく寄与していると、日本芝草学会で詳細なデータを基に研究成果を発表しています。

 これによると全国のゴルフ場の芝生や森林などの緑によるCO2の総吸収固定量は年間460万トンになるそうです。広大な敷地でゴルフをすることに後ろめたさを感じているゴルファーもおられるかもしれませんが、ゴルフ場は大気の浄化、地球温暖化防止に大きく寄与していることを認識して胸をはってゴルフをお楽しみください。

ゴルフは難しく奥行きが広い。

 ゴルフはひじょうに特殊なスポーツだと思います。いろいろな環境や条件に影響され左右される競技です。まずは天候。晴れ、雨、寒い、暑い、強風、無風といった気象条件に最も影響を受けるスポーツです。プレーするコースの違い、アップダウンがきつい、フラット、距離が長い、短い、山岳コース、丘陵コース、シーサイドといったプレーするコースの違い。さらにはプレーする同伴競技者といった環境や条件がその都度変わるのがゴルフです。

 さらには1番ホールのティーショットから18番ホールの最終パットまで打ち放たれたボールの状況が1打ごとに変わっており、スコアメイクのためにプレーヤー自身がその都度判断し実行して行く孤独との闘い。

 野球やサッカーのようにチームプレーではなく、完全な個人プレーであり、野球やサッカーのように相手のプレーに対して瞬時に判断して対応するスポーツではありません。ゴルフというスポーツは1打、1打の間合いが長く次打に行くまでの時間が長く考える時間が長すぎて逆にミスすることも多い。

 ゴルフとはいかにミスをしないかを競うスポーツだといっても過言ではありません。ナイスショットした後につまらぬミスショットをしたり、ナイスパー、ナイスバーディのあとにボギーやダブルボギーを叩いてしまう、まさに好事魔多しといったことがよく起こります。ゴルフほど不安と緊張に左右されるスポーツは他にないと思います。だからこそゴルフは難しく奥行きの広い無限の面白さをもつスポーツなのです。

 

ゴルフは知的スポーツ。

 ゴルフは体力と精神力そして忍耐力が問われるスポーツです。とくにゴルフは体力以外に知的スポーツといわれるように精神力と忍耐力なくしてゴルフの上達は望めません。

 18ホールという長丁場では必ずミスが出ます。うまく行くよりミスが多くミスをいかに減らすかがスコアメイクのポイントです。

 18ホールの長丁場はミスしても取り戻せるチャンスは必ず訪れますから諦めずに粘り強くプレーをして行くことです。

 ゴルフは1番ホールをティーオフした時からいかなる場において、人間としていかに処すべきかを問われる場面に遭遇します。こうした場面をいかに対処しつつ最小のスコアにまとめて行くかが問われるスポーツでもあります。

 ゴルフマナー評論家・鈴木康之氏は「公明正大」「挑戦と冷静」「思いやり」「感謝」「社交」「自律」「自己責任」「向上意欲」「計画性」そして幾多の困難、失敗、挫折、恥の経験など日常生活が投影、凝縮されたものがゴルフだといいます。

 だからこそゴルフは面白いのだし、また難しく奥が深いのです。