スロープレー問題を考える。

 スロープレーはどこのゴルフ場でも悩みの種です。ハーフのプレー時間はおおよそ2時間をメドにしているゴルフ場が多い。関西ゴルフ連盟支配人会でもスロープレー防止のためのポスターやマーシャルグッズを制作し加盟ゴルフ場に配布しています。

 ゴルフ場のレイアウトや難易度などの差もありますが、ハーフプレーは2時間あれば大体回れるはずです。2020年の東京オリンピックのゴルフ競技の会場を予定している名門・霞ヶ関CCは「ハーフ1時間50分でプレーしてください。」とロッカールームなどに掲示されてます。霞ヶ関CCは乗用カートのない全ホール歩きのプレーで、しかもOBなどは全て打ち直しでありながらハーフ1時間50分プレーを奨励しています。

 実際に1時間50分でラウンドできるのかキャディさんに尋ねたところ「皆さん、大体1時間50分までで回ってこられますよ。」とのことでした。しかも霞ヶ関CCのスタート時間の間隔はなんと6分間隔。ふつうは7分間隔、当クラブは8分間隔ですが、コース内で混んだりしないそうです。

 話を元に戻して、スロープレー問題ですが、スロープレーヤーが一人いるだけで間違いなく、その組はスロープレーになってしまいます。スロープレーヤーは同伴競技者のみならず後続組にも多大な迷惑をかけてしまいます。

 人には一定のプレーリズムがありますし、アドレスしてショットするまでに一定のルーティーンがあります。が、周りからみれば無駄に時間をかけてわざとプレーを遅くしているように見える人もいます。こうしたスロープレーヤーの多くは、残念なことに自分のプレーが遅いと判っていない人がほとんどです。

 スロープレーヤーを見ていると相対的に周りの空気を読まないし、他の人に対する気遣いがない自己中心的なマイペース型の人に多いように感じます。

 スロープレーヤーでも工夫次第で早くなります。ボールを打つ以外の作業?を早めるようにすれば大幅短縮になります。例えばティーショットの準備を自分の番までにきちんとしておく。自分の番がきたらさっとティーアップして打てるようにする。次打地点に行く時はあらかじめ目測して2、3本のクラブを持っていくとか、グリーン周りなどでは必ずしも「遠球先打」にこだわらず、本来打つべき順番の人が準備できていなければ「お先に打ちます」と声をかけてプレーすればかなりの時間短縮につながります。

 アドレスに入る前に何度も素振りを繰り返す人がいます。これもその人にとってのルーティーンかもしれませんが、何度も素振りを繰り返しても100%うまく行くかといえばけっしてそんなことはありません。何度も素振りを繰り返すルーティーンは逆に雑念が入って却って逆効果を招くと倉本プロはいってます。

 倉本プロいわく「構えに入ったら3秒以内に打ち終える」人間がせいぜいじっとしていられるのは3秒まで、構えて4秒以上かけると頭に思い描いていたイメージが消え失せて筋肉も固まる。だから3秒以内に打ち終えること、と。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇