年々増加する70歳以上の高齢者ゴルファー。

 一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の会報6月号で「平成26年度都道府県別全国ゴルフ場来場者」(速報)状況が報告されています。

 これによると平成26年度のゴルフ場来場者は消費税率(5%→8%)や天候要因により全国的に減少し、上半期の累計で119万人減少となったが、下半期では102万人増加となり、年度合計で17万人減少(0・2%減)の8692万人とほぼ横ばいだったそうです。ただこの数字の実態を見るとゴルフ業界にとっては深刻な状況となっています。

 というのも年々増加する70歳以上の来場者数は、本年度も100万人(7・2%)となり、全来場者に占める割合が17・2%(1・2%増)になったからです。

 裏を返すと現役世代のゴルファーが全く増えず70歳以上の高齢者ゴルファーが増えているだけです。ゴルフ場来場者数は、70歳以上の高齢者ゴルファーが増加して辛うじて横ばいを維持しているというのが現実です。高齢者ゴルファーの増加はそれはそれで喜ばしいことでありますが、60歳以下の現役、とくに20歳代、30歳代の若手が増えてこないのが問題なのです。

 関西ゴルフ連盟のゴルフ振興策や各府県ゴルフ協会が主催・実施している府民ゴルフや県民ゴルフも新しいゴルファーを創造させるのではなく、すでにゴルフを楽しんでいるゴルファーに単に安くプレーできる機会を増やしているだけで、新たな需要を創造する参加促進案ではないのです。

 ゴルフ人口拡大策、即ち60歳以下の現役世代がゴルフに参加し新たなゴルファーとなるべく真の振興策を業界全体で智恵を絞って行く必要があると思います。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇