ゴルフ場利用税、平成30年の廃止ならず。

 日本ゴルフ協会(JGA)税務対策等部会・小宮山義孝部会長名でゴルフ場利用税に関する自民党税制調査会小委員会の結果についてFAXが本日届きましたので全文ご紹介します。

 12月6日(水曜13時~17時)、自民党税制調査会小委員会(通称○×打ち出し)が開催され、各省庁の平成30年度税制改正要望の審議が行われた。

 会議では赤池誠章(参/比例全国)文部科学部会長をはじめ7名の議員が「ゴルフ場利用税廃止」の発言を行い、原田憲治(衆/大阪9区)総務部会長他2名の「ゴルフ場利用税堅持」の発言を圧倒しましたが、文部科学省(スポーツ庁)の税制改正要望「ゴルフ場利用税廃止」については、昨年同様「二重△」の結論となり、平成30年度の廃止実現はならず、継続検討事項となりました。

 「利用税堅持派」議員の発言は、「市町村の貴重な財源」「市町村長が反対しているから」というものであり、課税根拠を失っていることを自ら証明しているものでした。

 これに対し、スポーツ庁が提示したゴルフ場利用税が廃止された際の代替財源案に対し総務省側が聞く耳を持たない姿勢に、ゴルフ場と市町村がWinーWinの関係が築けるように総務省とスポーツ庁で協議の場を設け検討していくべき等の意見が出されました。また、城内実(衆/静岡7区)経済産業部会長から、「経産部会長として、今回の税制改正要望を支持する。ゴルフは貴重な産業。地方と良く話し合って良い方向性を見いだすべき」との応援発言も出されました。

 2020年東京オリンピック・パラリンピックまでにゴルフ場利用税廃止実現ために残された時間は、来年の税調までの1年間となります。ご支援いただいている先生方及びスポーツ庁のご指導のもと全力を尽くしてまいりますので、引き続きご支援、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

ジコチュー(自己中)ゴルファー増殖中。

 ゴルフのマナーとルールは世界共通です。たとえ言葉が通じなくとも紳士的な振舞い、ラウンド中のマナーを守っていれば海外では恥をかかずにゴルフは楽しめます。

 ゴルフの腕前はお世辞にも上手とはいえませんが、他のプレーヤーやキャディに対する気遣いなどされる素晴らしいゴルファーはいます。

 同伴者がアドレスに入ればお喋りはやめる、後方線上に立たない等々の気配りはゴルファーならごく当たり前のことですが、これがなかなか守れない。とくに最近ゴルフを始めた若い人に多いようです。

 そういえば昔(今の団塊の世代が30歳前後でゴルフを始めた頃)は、ビジネスマンにとってゴルフは必須アイテムとして上司からゴルフの手ほどきをみんな受けたものです。

 ゴルフ場のクラブハウスに入るときはブレザー着用。プレーするときのウェアは襟付きのポロシャツを着用するようになどと口うるさく注意されたものです。

 プレーについても「君らのようなビギナーは真っ直ぐ飛ばないのだから打ったら、必ずクラブ2、3本持ってボールの所へ走って行くように!」とか「バンカーショットの跡や靴跡は後のプレーヤーのために必ずバンカーレーキで均して出るように」などなどゴルファーとしての初歩的なルール・マナーを厳しく指導されたものです。

 最近はゴルフの手ほどきをする先輩や上司がいなくなりました。そのため「自分さえ良ければ」という自己中心のプレーヤーが増殖しています。ルール・マナーを知らないビギナーが自分勝手な行動をしたときは、先輩ゴルファーとしてしっかり注意・指導するように心がけたいと思いますが、皆さんもお目付け役としてなぜマナーを守らなければならないのかなどを指導してやってください。

ゴルフ外交は倫理規定に抵触はしない?

 米国トランプ大統領が来日し安倍首相と強固な日米同盟を礎とする外交基盤を固めました。トランプ大統領と安倍首相は国内屈指の名門コース・霞ヶ関カンツリー倶楽部でゴルフを通じてより厚い信頼関係を築いたようです。

 二人の信頼関係をより強固にしたものにゴルフ外交があります。ゴルフプレーをしながらお互いリラックスしていろいろ難しい話題も本音で話し合えたとゴルフ外交の成果を話されていました。

 ところで日本の国家公務員の倫理規定には「利害関係者とのゴルフの禁止」という項目が明記されており国家公務員の付き合いゴルフは禁じられています。今回の安倍首相が国賓並のトランプ大統領をゴルフで「おもてなし」をしたことは、この倫理規定に抵触しないのだろうか?

 さらに今回の霞ヶ関CCでのプレー代、松山英樹選手の招聘の費用とギャラ等々は誰が支払ったのでしょうか。たぶん日本政府が一切合財支払ったと思いますが、果たして倫理規定にゴルフ禁止が明記されてるのに違法支出にならないのでしょうかね。

 ゴルフはプレーヤー同士、プレーを通じてリラックスしながら本音を語り合える素晴らしいスポーツであることが証明された訳ですから、この機会をとらえて日本ゴルフ協会など業界団体は国家公務員の倫理規定に明記されている「ゴルフ禁止」の項目を削除するよう要求すべきだと思います。

トランプ大統領のゴルフ外交。

 米国トランプ大統領が来日し安倍首相と松山英樹プロを伴って2020年東京五輪のゴルフ会場となる霞ヶ関カンツリー倶楽部東コースでラウンドされました。

 トランプ大統領は無類のゴルフ好きでハンディキャップも3(?)だとか。もともと不動産業の大富豪でゴルフ場の経営も10指で数えられないほど保有しています。同氏はビジネスでも「真に付き合う人物かどうか判断するには一緒にゴルフをすればその人物の性格や考え方がおおよそ判る」とゴルフ接待やゴルフ外交がいかに有効であるかを説いています。

 確かにゴルフを一緒に18ホール回れば同伴者の一挙手一投足で、その人物の性格や考え方がよく判ります。相手や周りの人に迷惑をかけたり不愉快な言動や行動をせず謙虚、気遣いをする紳士で上辺だけでない信頼に足る人物かどうか。また、そのプレーが「公正」「正直」か。さらにトラブルに見舞われた時の対処法が「挑戦」「勇気」「計画性」といった的確な判断力をもっているかなどラウンドすればその人の人物像がみえてきます。

 ビジネスにゴルフを活用するトランプ大統領のゴルフ観、私も同感です。

偉大なゴルファー赤星六郎の名言。

 

   週刊ゴルフダイジェスト今週号(10月10日号)をペラペラと見ていたら、戦前の名ゴルファー赤星四郎・六郎兄弟の弟・六郎の名言が紹介されていました。赤星兄弟といえば戦前の名ゴルファーであり、技術論、クラブの設計、ゴルフ場の設計など日本のゴルフ界の黎明期に大きな足跡を残しました。とくに赤星六郎はアメリカにゴルフ留学するなど戦前のゴルフ界に先進のゴルフを持ち帰り伝播した偉大なゴルファーでした。

 この赤星六郎の言葉が「米国からの土産」と題してイラスト4頁にわたって紹介されています。

 「コースからスコアだけを持ち帰る者とは友人になれない」

 「誠実な人に対してゴルフは多くの友情をお土産に持たせてくれるものだ」

 なかなか含蓄のある言葉です。さらに

 「試合ではナイスショットをたくさん打つより ミスショットを少なく打つ方が勝つのだ」

 これらの言葉の説明は不要ですね。個々人がこの言葉をどのように受け止めてどうプレーや行動に表していくか言葉の意味をしっかり頭に刻み込んでください。

 

QTのデータに見るホール難易度

 8月29日~9月1日の期間、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のQT2ndステージを奈良柳生カントリークラブで開催しました。4日間通算22アンダーパーの驚異のスコアで3rdステージへ進んだタイのT・チャイプラコン選手のことは9月6日のブログで紹介しましたが、今回はJGTOからいただいた各ホールの難易度のデータをご紹介します。

 このデータは全選手のホールバイホールを入力し、各ホールのイーグル、バーディ、パー、ボギー、ダブルボギー、トリプルボギーなどを入力し、そのホールの平均スコアを小数点以下まで出した数字でホールの難度をまとめています。

 4日間、延べ386人のスコアによると、難易度1番は10番ホール(453ヤード、パー4)で、イーグル1人、バーディ28人、パー241人、ボギー80人、ダボ27人、トリプル4人、それ以上が5人ということで平均スコアが4・35のオーバーパーでした。

 難易度2番は4番ホール(194ヤード、パー3)で平均スコアが3・3、次いで15番ホール(427ヤード、パー4)が同4・22。難易度4番は16番ホール(205ヤード、パー3)で同3・19、5番目の難易度は17番ホール(407ヤード、パー4)で同4・1でした。

 逆に1番易しいホールは11番ホール(535ヤード、パー5)でイーグルが9人、バーディ157人、パー176人、ボギー21人、ダボ19人、トリプル1人、それ以上4人で平均スコアは4・74でした。次いで易しいホールは8番ホール(569ヤード、パー5)で同4・8、3番目に易しいホールは18番ホール(580ヤード、パー5)の同4・82でした。

 このデータを見るとショートホールは全てオーバーパーとなってますが、逆にロングホールは2番ホールの5・0以外は全てアンダーパーになっています。当クラブのロングホールは11番ホールの535ヤード以外は2番579ヤード、8番569ヤード、18番580ヤードとしっかり距離もありますが、果敢に2オンを狙い易々バーディを取っていく易しいホールであることが証明されました。

 この現実を目の当たりにすると、いかにクラブやボールなどの道具が目覚しく進化しているのが分かります。道具に加えて選手の体力や体幹の向上がこうしたスコアに表れていると思います。ドライバーショットは、ほぼ330ヤード超は当たり前になり、残り200ヤード超も7番・8番アイアンでピタッとグリーンを捉えてきます。道具の著しい進化はまさにゴルフ場受難の時代になってきました。

 茨城県に昨年9月に誕生した「ザ・ロイヤルゴルフクラブ」は全長8143ヤード。鈴木規夫プロが監修し「世界基準のコース」を標榜していますが、確かに現在の米ツアーで活躍する選手を相手にするならこの距離のゴルフ場が必要だろうなと思います。

 8143ヤードのゴルフ場でアベレージゴルファーがゴルフをしても面白くないでしょう。プロに対抗するために距離を伸ばすというのはもはや限界だと思います。むしろプロにはプロ野球の選手のように金属バット禁止で木製バットに限るように、プロゴルファーもウッドクラブは木製のパーシモンに限定すれば、いささかなりとも飛ばし優先のプロトーナメントも少しは変わってくるのではないか思ってます。

 

T・チャイプラコン選手のこと。

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)主催のQT2ndステージが先週の金曜日(9月1日)に終わって、残務処理もおわりひと息ついてます。

 QT2ndを4日間を通じて22アンダーという驚異の快スコアを叩き出し圧倒的な強さでトップで通過したタイのT・チャイプラコン選手のことが気になって、いろいろ調べてみました。

 チャムプラコン選手は24歳でアジアンツアーで活躍する新鋭実力プロであることが分かりました。昨シーズンのアジアンツアー「バシュンダラ・バングラデシュオープン」で初タイトルを獲得し、続く10月の同ツアー「新韓ドンヘオープン」でも通算16アンダーで、日本でもお馴染みの韓国のキム・キョンテなどの強豪を押さえて見事2勝するなどアジアンツアーで活躍する新鋭実力選手です。

 日本のQTを経て日本のツアーに参戦すべく挑戦中。QTの3rd、Finalもあの実力があれば間違いなく通過だろうと思います。日本のツアーでは男女とも韓国選手が圧倒していますが、タイのP・マークセンや女子では先週優勝したO・サタヤや全米女子ツアーで活躍するA・ジュタヌガンなどタイの選手も躍進目覚しい。いずれチャイプラコン選手も日本のツアーで活躍する姿を目にすることもそう遠くないと思います。

「握り」はプレーのいい刺激剤。

 ゴルフでは賭けのことを「ベット」とか「握り」といってます。ゴルフの握り(ベット)は常識の範囲でやるならプレーにはいい刺激になると思います。しかしながら法治国家であるわが国ではいかなる賭け事も許されません。しかし警察もわれわれ庶民ゴルファーのわずかな賭けまで取り締まるほど野暮ではありません。

 ゴルフの賭けのことを「チョコを握りませんか?」というように、昔のゴルファーたちはささやかに1枚50円、100円程度のチョコレートを賭けてゴルフをしていました。40年以上前のゴルフ場のプロショップには当時1枚50円~100円程度の板チョコが実際に販売されていました。

 慎ましい「握り」(賭け)で勝者はチョコレートを土産として家に持って帰り、家族にゴルフで勝った自慢話と共にチョコレートを戦利品として差し出したものです。

 貴族のスポーツ、紳士のスポーツといわれていた戦前のゴルフも戦後の経済成長と共にゴルフがビジネスに利用されるようになってゴルフが俗化してしまいました。

 成金ゴルファーが増えるにつれゴルフの「握り」も100円が千円、1万円、10万円と恐ろしく高額なレートの賭けが行われるようになって行きました。バブリーな時代には50万円、100万円単位の金のやり取りがあったとか、朝乗ってきたベンツを賭けたりとかの常軌を逸した勝負をしていた嘘のような本当の話があります。バブルがはじけた現在、こんな馬鹿げた賭けゴルフはお目にかかれませんが。

 ゴルフにおける「握り」はプレーのいい刺激剤になります。それだけに常識の範囲内で楽しんでいただきたいと思います。反面、賭けゴルフをすると勝負にこだわって自分のゴルフができないから嫌だというゴルファーも多い。やたら「握り」たがるゴルファーもいますが、無理強いをせずケースバイケースで相手をみてするようにお願いします。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇

団塊シニアに依存するゴルフ業界。

 わが国の人口減少と高齢化は産業界のみならずゴルフ業界においても深刻な問題となってます。

 レジャー白書によると1992年のわが国のゴルフ人口は1480万人だったのが2016年には550万人と半減どころか3分の1近くに激減しています。ゴルフ場利用者数も1992年には1億人だったのが2016年には8631万人と減少しています。

 ゴルフ人口が3分の1近く激減したのにゴルフ場利用者数は△14%にとどまってます。これは団塊の世代を中心とした高齢者ゴルファーの年間プレー回数が大幅に増えたことによります。さらに増えた大きな要因にセルフプレーによる低料金化があります。1992年頃の平日のプレー料金は1万5千円~2万円が当たり前でしたが、この数年の平日のプレー料金は昼食付きセルフプレーで4千円代から1万円。キャディ付きでも1万2千円~1万8千円というところでしょうか。

 年金生活者のシニアゴルファーにとって、コースやサービスの良し悪しは二の次、グレードの高いゴルフ場で1万5千円以上払うなら1回5千円のゴルフ場で3回プレーする方が良いというのがこうした数字の実態ではないかと思います。

 なりふり構わずコストカットして究極の安値といわれる5千円前後のプレー料金を打ち出す大手チェーンゴルフ場に追随するゴルフ場も高齢者ゴルファーの年間プレー回数増加を後押ししているようです。

 団塊シニアに依存するゴルフ業界もここ4、5年で75歳を迎え順次クラブを置き始めることになるとゴルフ市場は大幅に縮小され、ゴルフ場の存続の危機が確実にやってきます。

 この団塊シニアが元気なうちにゴルフ人口の減少に歯止めをかけるべく、有効な対策をゴルフ業界挙げて積極的に取組んで行かなければなりません。

 ゴルフを始めるきっかけ作りや30代~50代の働き盛りのビジネスマンへのゴルフ誘引施策などゴルフ界全体が一つとなって市場活性化をして行く必要があると思うのですが、他人事のように傍観している経営者が多く、また業界・団体も一枚岩になって物事に当たろうという機運に乏しいのが残念です。

奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇

平成28年度のゴルフ場入場者数。

 一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK)よりNGKだより6月号が届いた。冊子と共に平成28年度総来場者 都道府県別来場者比較一覧 速報値(平成27年度対平成28年度)年度比較表が同封されていました。

 この速報値はゴルフ場利用税納付による全国ゴルフ場の入場者数だけにかなり正確なデータとなってます。

 これによりますと、平成28年度の全国ゴルフ場の総入場者数は、前年度比169万人減少(△1・9%)の8631万人でした。この減少要因は、度重なる台風の来襲や集中豪雨及び全国的な降雪・積雪などの気象要因でしたが、これに加えて熊本県と鳥取県で発生した大地震が大きく影響していると分析しています。

 また、ゴルフ場利用者に理不尽なゴルフ場利用税を課していますが、この課税対象者数が7053万人と減少しています。平成22年度に8000万人代から7000万人代に減少して以降、年々減少し7年間で6000万人代に減少するのは確実のようです。

 裏を返せば70歳以上の非課税者が増え続けて行くことになります。しかしながら70歳前後の「団塊の世代」の年齢上昇と共に、直近の15年間のゴルフ場入場者数を支えてきた「団塊の世代」が近い将来において減少傾向に転ずることが確実です。

 それだけにゴルフに関心を寄せる若いゴルファー予備軍をいかに取り込んで行くか実効性のあるゴルフ活性化が求められています。ゴルフ活性化を唱えて、関西ゴルフ連盟ではゴルフ振興金と称して来場者から30円を徴収して「既存のゴルファー」を対象とした「チャリティ ゴルフフェスタ」やクラブチーム対抗戦「フレンドカップ」といった催しを開催し悦に入ってますが「既存ゴルファー」のプレー回数を単に増やしているだけで将来的には実効性のない付け刃といわざるをえません。

 NGKなどが中心となって組織されたゴルフ市場活性化委員会が行っている「大学体育のゴルフ授業」充実に向けた産学連携や若年層を対象としたゴルフを始めるきっかけづくりの「ゴルマジ」「ゴルフスタートアッププロジェクト」といった地道ながらもゴルフ界一丸となって取組んでいけば若年層のゴルファーの普及につながっていくものと思います。