随分前の話で記憶は定かではありませんが有名なゴルファーがいっていました(書物で読んだのですが)が、ゴルフというゲームは本来コースのパーに対して挑んで行くものであって、目の前の同伴競技者が相手でも敵でもない。したがって同伴競技者のプレーに惑わされたりせず、平常心でそのホールを攻略して行くことに集中することが肝要だとか。
確かにコース設計者は様々な罠や仕掛けを随所に企てています。手強いコース設計家の意図を見破り安全なパールートを模索し攻略して行くことが知性派ゴルファーの楽しみ方ではないでしょうか。
広大な自然の中に展開する18ホールは、池や小川などの景観美を兼ねたウォーターハザードや人工的な白砂のバンカーを巧みに配置された造形など戦略性と景観性を調和させたコース設計者の造形作品でもあります。
ティーグランドからグリーンに向かって淡々とボールを打って行くのではなく、そのホール全体を見渡し設計家の意図する戦略性と景観性を読み解いてからプレーして行くことこそ、ゴルフの奥深さと醍醐味があるのではないと思います。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇