ローカルルールの悪法の最たるものは「プレイング4」と「6インチプレース」だろう。プレイング4とは、ティーショットをOBした場合、プレーの進行をスムーズに行かせるため、前方特設箇所(特設ティーとしている所もある)から打って4打(プレイング4)としてプレーする救済措置です。いわば体のいい遅延防止策です。
確かにビギナーが何度も何度もOBを繰り返せば同伴競技者はもちろん、後続組も詰まってしまってコース内は込み込みになってしまう可能性があります。だからといってティーショットをOBした者が特設箇所からプレイング4でプレーを続行するというのはいささか腑に落ちません。
ゴルフというゲームはティーグランドからティーショットしたボールをグリーンのカップにカップインして打数を競うものです。それをティーショットしたボールがOBだったからボールを手にもって特設箇所に歩いて行く。ゴルフはティーショットしたらグリーンに上がるまでは一切ボールに触れてはいけないという大原則あるにもかかわらず、ティーグランドから特設箇所までボールを持ち運ぶのは、ゴルフの本筋から外れているように思います。
ビギナーの救済措置ということもあるかもしれませんが、一律OBは特設箇所からプレイング4ではなく、せめて打ち直しかプレイング4かの選択する権利はプレーヤー自身に判断させるべきだと思います。
もうひとつの悪法「6インチプレース」。こちらはコースを保護するため、あるいはコースコンディションが劣悪な状態だから6インチの範囲内でボールを動かしても良いというもの。ゴルフはあるがままの状態(ライ)でボールを打って行くのが大原則。芝の張り替えた箇所や発芽前や発芽中の芝を養生するための限定的範囲なら修理地にするべきで、コース全体6インチにするというのは、「18ホールのコース状態がノータッチでプレーできない最悪のコースです」とゴルフ場自ら公言しているようなものです。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇