真のゴルファーは減った。

 あるゴルフ書のPR文か何かで見た記憶がある。それは「ゴルフをする人は増えたが、ゴルファーは減った。ゴルフの醍醐味は、いいスコアを出すことではなく親しい人々を得ることだ」なかなか味わい深い言葉だ。

 ゴルフの基本はまずエチケットから始まる。ルールブックは第1章「エチケット」から始まる。50年近く前にゴルフを始めた時、先輩たちから「ゴルフは紳士のスポーツだ。なに故に紳士のスポーツであるかというとエチケット・マナーを重視し遵守することから始まる」と口酸っぱく教えられたものです。お陰でゴルフというスポーツを通じて社会人としてわきまえるべきエチケット・マナーを身につけることができました。

 ところがエチケット・マナーを身につけた先人ゴルファーは減少し、ここ十数年、ゴルフを始める初心者にしっかりエチケット・マナーを教える先輩ゴルファーはいなくなりました。他のプレーヤーの邪魔にならないようにする心配りや安全にゴルフを楽しむための基本的なエチケットやマナーであるのですが、これをわきまえない無知なプレーヤーに善意でもって注意しようものなら「口うるさいゴルファーだ」「何を偉そうに」など反省どころかふて腐れる輩のなんと多いことか。

 エチケット・マナーを指導しようという善意のゴルファーは逆に敬遠されるし、さらにはいちいち細かいことを注意する嫌味なゴルファーだと多くのゴルファーから遠ざけられてしまいます。正しいことを教えていながら敬遠されるなど間尺に合わない。だからみんなエチケット・マナーに反した行動をするプレーヤーを見ても黙殺してしまうようになってしまったのだろうか。

 奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇

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