新年早々、わが国の「人口動態統計の年間推計」が厚生労働省から発表されました。出生数は戦後に統計を取り始めた1947年以降で最小の105万7千人(前年比マイナス1万4千人)、死亡数は126万1千人(前年比プラス6万4千人)と逆に最多になったそうです。
国内で生まれた日本人の赤ちゃんより死亡数の方が多く、マイナス20万4千人の人口減になりました。高齢者が多く若年層が少ない逆ピラミッドは深刻な問題です。
ゴルフ界も同様でゴルファーの高齢化やゴルフ人口の減少により深刻な状況にあることは自明の理です。しかしながら手をこまねいているわけにはいきません。ゴルフ業界全体で真剣に取組んでいかなければなりません。だからといって関西ゴルフ連盟が推し進めようとしているユーザーであるゴルファーから来場のたびに30円の振興基金を徴収するのはいささか疑問に思いますし賛成できません。
ゴルフの振興策というものは、すでに大手のゴルフ場チェーンや多くのゴルフ場が実施しています。経費を切り詰めてギリギリの低額料金を設定し2回のところを3回来てもらえるような料金設定やポイントカード、料金の安いセルフ化、カートのフェアウェー乗り入れ、割安料金の早朝ゴルフなど各クラブ(各法人)が知恵を絞ってすでに実施しているのが振興策です。ゴルフの振興策でいえば名門ゴルフクラブといわれてれているゴルフ場が一般ゴルファーに月に1回でも2回でも低料金で門戸を開放すればもっと活性化するはず。
日本ゴルフ協会や関西ゴルフ連盟などの競技団体がゴルフ振興の旗を振るなら、まず第一に取り組むべきことは「ゴルフ利用税」の撤廃のための行動を先頭に立ってやるべきだと思います。さらにいえばオリンピックの正式種目に採用されるゴルフがスポーツとして認知されたわけですから、裾野(ジュニア)開発の一環としてジュニアへの指導教育として小中学生の体育教科に取り入れるように文部科学省に積極的に働きかけるなど具体的な振興のための施策はいくつもあるはず。
ジュニア育成といってもプロに近いアスリートを育てるだけの今のジュニア育成制度や競技を増やすことやチャリティ競技を行うことが振興策と勘違いしているお歴々にいいたい、まずは消費税とダブル課税されている悪税・ゴルフ利用税の撤廃運動に真摯に取組んでもらいたいと。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇