ゴルフ場事業者(経営者)の団体である社団法人・日本ゴルフ場事業協会(NGK)から「平成23年度版ゴルフ場利用税の課税状況からみたゴルフ場数・利用者等」という冊子が届きました。このデータは、都道府県並びに総務省自治税務局都道府県税課の協力を得てまとめられており、日本のゴルフ場数、利用者数などゴルフ場利用税の納入状況を基にデータ化されているので最も正確で信頼できる数字だといえます。
関西ゴルフ連盟(KGU)などでも来場者状況をデータ化していますが、KGU加盟の235コースの来場者(利用者)に限られているため、非加盟やパブリックのゴルフ場のデータが反映されていませんし、関西地方に限定されているため、日本のゴルフ界の現状を把握・理解するためにはNGKの発行するこのデータが最も確かなようです。
日本の47都道府県のゴルフ場利用税の納入状況によるゴルフ場入場者数等で見るとわが国のゴルファーの動向、傾向がよく判ります。データに基づき平成18年度(いずれも4月~3月)から平成22年度までのデータを紹介すると、
平成18年度:ゴルフ場数2442 総入場者数88,235千人(課税入場者81,028千人、非課税入場者7,207千人)
平成19年度:ゴルフ場数2442 総入場者数89,020千人(課税入場者80,908千人、非課税入場者8,112千人)
平成20年度:ゴルフ場数2442 総入場者数90,786千人(課税入場者81,758千人、非課税入場者9,029千人)
平成21年度:ゴルフ場数2445 総入場者数91,642千人(課税入場者81,641千人、非課税入場者10,001千人)
平成22年度:ゴルフ場数2432 総入場者数88,061千人(課税入場者77,578千人、非課税入場者10,483千人)
5年間の推移をみれば平成21年の総入場者91,642千人が最も多く、平成22年度の88,061千人が最も少ない。ただし平成21年度の総入場者数のうち非課税入場者(多くは70歳以上)が10,001千人と増加したことが大きく起因しています。
一方、平成22年度は総入場者数が前年に比べて大きく減少したものの、非課税入場者数が10,483千人と増加しています。これは70歳以上のゴルファーの利用が増えたものの、担税能力のあるいわゆる現役世代のゴルファーの利用が減少してきてることを示しています。ゴルフブームを支えてきた団塊の世代がゴルフ市場からリタイアを始める2015年に向けて減少し続けていくのではないかと、このデータを見て危惧しています。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇