先週の2、3、4日にグリーンの更新作業、コアリングをし目砂入れを行いました。今年は梅雨入りが5月26日からと例年より早くきたため、5月25日過ぎに予定していたコアリングができず梅雨の晴れ間を見て先週行いました。
グリーンのコアリングをすると当然穴を塞ぐために目砂を入れるのですが、少なければポコポコボールが跳ねますし、目砂を入れすぎるとボールの転がりが悪くなりますし、コアリングをしなければグリーンが硬直して排水不良で病気が発生しますし、グリーンの管理はグリーンキーパーにとって最も悩ましい問題です。
最近はグリーンの評価をグリーンの速い、遅いでその評価をする傾向にあります。私はグリーンのスピードが速いから良いグリーンとは考えません。マスターズに代表されるようなトーナメントの10フィート~13フィートをテレビで観て、そのイメージと実際のプレーしているグリーンスピードをダブらせて、ここのグリーンは無茶苦茶遅いとクレームされる方がいます。
グリーンのスピード偏重の考え方はトーナメントコースを物差しに遅い、速いにこだわっているように思います。多くのゴルファーはツアープロがプレーしているトーナメントのグリーンをイメージしています。実際にトーナメントを開催したコースでさえ、トーナメント開催期間のグリーン状態(硬くて速いグリーン)を何日も維持することは不可能であることを皆さんは理解されてません。
トーナメント開催に合わせて、その期間だけ特別硬くて速いグリーンに仕上げているのだということをもう少し判っていただきたいと思います。スティンプメーターで測定した数値が7フイート、8フイート、さらには13フィートと、そのゴルフ場によって様々ですが、グリーンの評価はスピードで決まるのではなく、芝に病気がなく健全な状態であり、透水性がよく、かつ全てのグリーンにおいて均一に転がるグリーンが゛良いグリーン゛なのです。
この゛良いグリーン゛を年間通して維持するためにコアリングやフォーキング、バーチカルなどを敢えて行う必要性があるわけなのです。グリーンが病気で禿げたり、枯れたりしていない健全な芝のグリーンこそ評価されるべきなのです。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇