日本ゴルフ協会(JGA)が昭和58年9月にJGAハンディキャップ規定を制定し、JGA加盟団体の会員にJGAハンディキャップを交付しています。
それまではゴルフのハンディキャップは、各ゴルフクラブのハンディキャップ委員会や競技委員会で独自に認定していましたが、どのゴルフ場でも通用するというには公平性に欠けていました。
JGA加盟のゴルフ場(クラブ)で査定方法が統一されたことにより合理性かつ一定の公平性も認められるようになりました。
JGAは平成17年にゴルフクラブの会員以外に個人でも有償でJGAハンディキャップが取得できるJGA個人会員を発足募集させ年会費1万円で個人会員にJGAハンディキャップを交付できるようにしていました。
ところが、JGAでは個人会員の増加をはかるためにJGAクラブを今年9月にインターネット予約サイトの大手ゴルフダイジェストオンライン(GDO)、楽天GORAと業務委託契約を結び年間2,520円でJGAハンディキャップを交付する制度を発足させました。
JGAという組織を支えている加盟ゴルフクラブ(約2000クラブ)はJGA年会費として毎年26万円を支払って、そのクラブに所属する会員にJGAハンディキャップを交付していたわけですから、ゴルフクラブに入会せずとも年会費2,520円を支払えばJGAハンディキャップを取得することができるのです。
しかもGDO、楽天GORAを利用すれば日本の会員制ゴルフ場2000箇所の内90%近くのゴルフ場がエントリー、プレーできるわけですから、高い入会金や名義変更料を支払ってまでゴルフクラブに入会する必要がなくなるのです。
各ゴルフクラブの26万円の年会費を基盤としたJGAが会員制ゴルフクラブの経営を揺るがす暴挙とはいわないまでも拙劣な制度ではないかと思います。
またこのJGAハンディキャップ取得に対しても、電子システム化したJ-sysで、個人が携帯電話やパソコンから自由に自分のスコアを入力して行くため、そのハンディキャップの公正さ公平さが担保されるのだろうか?
ゴルファーに悪人はいないという゛性善説゛が前提であるとしてもスコアやハンディキャップはいとも作為的に行うことが可能である。
ゴルフクラブに所属する会員のハンディキャップはクラブ競技などを通じて、ある程度の技量を認識しているので、極端なハンディキャップの変動は起り得ないが、個人の自己申告に基づくスコア入力は、果たして公正かつ公平で信用足り得るのだろうか?
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇