男子プロトーナメントのマイナビABCチャンピオンシップが兵庫県のABCゴルフ倶楽部で開催され、本日最終日を迎えています。もうすぐ優勝者が決まると思います。それは差し置いて、注目するのはコースセッティングです。
このABCのグリーンはマスターズのオーガスタ並みの高速グリーンに仕上げられているとのこと。日本ゴルフツアー機構の知り合いの競技担当者に聞いたところ、なんとグリーンの刈高は2ミリカットの14フィートの速さだとのこと。常識では考えられない高速グリーンで石川遼をはじめとするプロはしのぎをけずっています。
こんな難しいグリーンでありながら初日、いとも簡単に9アンダーの63をI・J・ジャンがマーク。続く細川和彦も6アンダーとアンダーパーが続出するなど見事攻略しています。驚きです。
この14フィートの高速グリーンをどうして作り上げているのか注目しています。日本のゴルフ場の多くはベントグリーンというとペンクロと呼ばれているペントグラスが広く普及しています。成長が旺盛で仕上がりが速く、病害にも強いということで急速に日本で普及しました。しかしながら低刈を強いると夏の高温時には根が弱り病害を発症しやすくなるなどの問題が出てきてます。
常識を超える高速グリーンを可能にしているのは・・・・?このABCは、ニューベントといわれているA-1という品種のベントグラスです。このA-1は葉は繊細できわめて濃緑色でアップライト気味に生育するらしい。単位面積当たりの密度も高くペンクロに比べて約2倍の葉数を有し、低い刈り込みに耐えるとのこと。耐暑性も抜群とのこと。
ベントグリーンの代名詞だったペンクロもここにきて、耐暑性や低刈に弱いなどの問題がでてきました。A-1をはじめCYⅡ、L93、ドミネント等々ニューベントへの切り替えのためのインターシードに着手するゴルフ場が増えつつあります。当クラブも今年傷めた6番グリーンにダブルオーセブンといわれる007と16番グリーンに962のニューベントの種を撒きインターシードのデータをとることにしました。
奈良柳生カントリークラブ 総支配人・阪口 勇